ケーブルを切り売りで買うなら何m?|自作シールド・パッチの本数から逆算する長さの計算と割り振り
切り売りケーブルで自作するとき、いちばん迷うのが「何m買えば足りるか」です。足りなければ再注文、余りすぎればもったいない。答えは、作りたい本数と長さを書き出す → 1本ごとに余裕を足す → 合計を販売単位に切り上げるの3ステップで出せます。この記事では計算式と割り振りの例、買う前のチェックリストをまとめました。

▲ 端末を整えるぶん、カット寸法ぴったりでは足りないことがあります。
まず「作りたい本数と長さ」をリストにする
最初に、作りたいケーブルを1本ずつ書き出します。項目は用途・長さ(カット寸法)・本数・色・プラグ形状(L型/ストレート)の5つ。1本ごとの長さの決め方は、シールドならケーブルの長さの考え方(実測3ステップ)、パッチの長さの目安と必要本数の数え方はパッチケーブルの選び方にまとめています。ここでは結果を表に並べるだけでOKです。
注意したいのは、表記の長さと「ケーブルカット寸法」は同じとは限らないこと。たとえば当店のパッチケーブルの商品ページでは「15cm(ケーブルカット寸法17cm)」と表記しており、30cmは32cm、50cmは52cmです。自作でも、使うプラグに合わせて1本ごとのカット寸法を先に決めておきましょう。
1本あたりに足す「切り代」と「やり直し分」
切る長さには、次の2つを見込みます。
- 切り代:切り口の潰れや斜め切りを切り直す分、試し剥きの分。
- やり直し分:剥きすぎやハンダ失敗で端を切り落として作り直す分。初めての方ほど多めに。
CANARE GS-6 は、メーカー公式ページに、導電ビニルが中心導体に触れるとショートの原因になる、という注意書きがあります。丁寧な端末処理には試し剥きも必要なので、余裕を見ておきましょう。剥き方そのものは自作の下処理(被覆の剥き方)の記事で解説しています。
どれくらい足すかは、作業の慣れやプラグによって変わる「自分で決める値」です。計算例では仮に「1本あたり+5cm、全体予備+30cm」としていますが、当店の基準値ではないので、ご自身の作業に合わせて調整してください。
計算式:切る長さの合計+予備 → 販売単位に切り上げ
切る長さ = カット寸法 + 1本あたりの余裕
→ 販売されている長さのうち、必要量以上でいちばん短いものを選ぶ
当店のケーブル切り売り(CANARE GS-6)は 5m・10m・15m の3種類(それ以外の長さはご相談ください)なので、合計をこのいずれかに切り上げます。計算結果が販売単位にぎりぎりで収まったときは、1段階上も検討してください。足りないと追加注文の手間がかかりますが、余りは次の1本や補修用に回せます。
割り振り例:5mと10mでどう分けるか
以下はすべて計算例(仮の値)です。余裕は「1本あたり+5cm、全体予備+30cm」で計算しています。
例A:ボード→アンプのシールド1本+パッチ6本(1色)
| 用途 | カット寸法 | 本数 | 切る長さ | 小計 |
|---|---|---|---|---|
| シールド | 3m | 1 | 3.05m | 3.05m |
| パッチ(隣同士) | 15cm | 4 | 20cm | 0.80m |
| パッチ(1台またぎ) | 30cm | 2 | 35cm | 0.70m |
| 全体予備 | — | — | — | 0.30m |
| 合計 | 5mで足りるが、残りは0.15mのみ | 4.85m | ||
例B:シールド2本+パッチ8本(1色)
| 用途 | カット寸法 | 本数 | 切る長さ | 小計 |
|---|---|---|---|---|
| ギター→ボード | 3m | 1 | 3.05m | 3.05m |
| ボード→アンプ | 3m | 1 | 3.05m | 3.05m |
| パッチ | 15cm | 5 | 20cm | 1.00m |
| パッチ | 30cm | 2 | 35cm | 0.70m |
| パッチ | 50cm | 1 | 55cm | 0.55m |
| 全体予備 | — | — | — | 0.30m |
| 合計 | 10mを購入し、残り約1.35mは予備・補修用に | 8.65m | ||
▲ 帯の左から順に切る想定。例Aは残りがわずかな「ぎりぎり」の例です。
逆に、手元の10mから何本取れるかも同じ式で確かめられます。切る順番は長いものから先に。失敗しても残りを短いパッチに回せます。
色分けしたいとき・プラグを選ぶときの注意
当店の切り売りは1色ごとの購入です。シールドは黒、パッチは青のように色分けするなら、色ごとに合計して、色ごとに切り上げます。例Bをこの分け方にすると、黒は6.40m(シールド2本+予備)で10m、青は2.55m(パッチ8本+予備)で5m。予備は色ごとに足します。このため1色より購入量が増えやすくなります。15m超や半端な長さはご相談ください。
もうひとつはプラグとの適合です。CANARE GS-6 の外径は5.8mm(メーカー公式値)。使うプラグの仕様で、対応するケーブル径を必ず確認してください。ソルダーレス型は専用ケーブルを前提にした製品が多いため、特に注意が必要です。なお当店でも GS-6 を使ってパッチケーブルを製作しています。
買う前のチェックリスト
- 作る本数・カット寸法・色・プラグ形状を表にした
- 1本ごとに余裕(切り代+やり直し分)を足し、「切る長さ」で合計した
- 色ごとに合計し、色ごとに全体の予備を足した
- 5m/10m/15mに切り上げ、ぎりぎりなら1段階上を検討した
- プラグが GS-6(外径5.8mm)に適合するか確認した
- 長い順に切る計画にした
作る時間が取れないなら、完成品も選択肢です。KMsoundでは出荷前の導通確認まで自社で行った長さとプラグ形状を選べるギターケーブルをご用意しています。自作と完成品でどちらが得かは、自作と完成品の比較の記事で計算できます。
計算してみて「本数が多い」と感じたら
下処理・予備はんだ・組み立て・導通確認まで済ませた一本を、
長さ・色・プラグ形状を選んでオーダーできます。
自分で作るなら → CANARE GS-6の切り売りを見る