ケーブルの色分けとラベリング|ライブ・ペダルボード・宅録で配線ミスを減らす方法
暗いステージやボードの裏では、ケーブルは「どれがどれか」分からなくなった瞬間にトラブルの元になります。色分けは見た目ではなく、抜き差しの取り違えと、トラブル時の切り分けの時間を減らすための運用です。色の決め方の手順、場面別の例、色だけに頼らないラベリングの方法をまとめます。

▲ 被覆の色を選べるCANARE GS-6(ブルー)
色分けで減らせるミス、減らせないミス
色分けで減らせるのは「見分け」に関わるミスです。
- 楽器側とアンプ側、センドとリターンの挿し間違い
- 音が出ないとき「どの1本を替えるか」の判断
- 撤収時の本数確認、予備との取り違え
- スピーカーケーブルとの混同(スピーカーケーブルとシールドの違い)
断線や接触不良は防げません。また、被覆の色は見分けるためのもので、色によって音が変わるわけではありません。音の違いが出るとすれば、それは線材の構造によるものです。
色の決め方の手順(3ステップ)
- 色に「何を」対応させるかを1つ決める。「色=線材」か「色=役割(区間)」のどちらかです。混ぜると色の意味がぶつかります(線材と役割、2つの色分け方式の解説)。
- 使う色の数を絞る。見分けたい区別の数だけ色を使います。全部違う色にすると覚えられません。予備は「本番と同色+印」か「予備専用色」に統一します。
- 対応表を1枚にする。メモやケースの蓋裏に残し、バンドなら全員で共有します。組んだ状態を写真に撮ると組み直しも楽です。
ただし線材によって選べる色は限られます。当店のシールドでは、CANARE GS-6がブラック・レッド・グリーン・ブルー・オレンジ・イエローの6色、MOGAMI 2524・2534とOYAIDE Ecstasy Cableはブラック、OYAIDE G-SPOT CABLEはパープルです。線材を混ぜると自然に「色=線材」になるので、役割ごとに色を分けたいなら、GS-6で揃えるのが基本になります(線材と被覆色からギターケーブルを選ぶ)。
場面別の色分け例
以下は一例です。決まった色のルールはないので、覚えやすさを優先してください。
| 場面 | 分ける単位 | 割り当て例 |
|---|---|---|
| ライブ(シールド) | 楽器→ボード/ボード→アンプ/予備 | 楽器側を明るい色、ボード→アンプを黒、予備は同色+テープ印 |
| ペダルボード(パッチ) | 信号の区間 | 歪み系まで=ブラック、空間系=イエロー、ループ=レッド |
| 宅録・ラック | 入力/モニター出力/外部機器 | 入力=ブルー、モニター出力=グリーンなど、RCAで一般的な赤・白と重ならない色+ラベル |
| マイク複数本(XLR) | チャンネル | パートごとに色を分け、ミキサーの番号と揃える |
パッチの並べ方は パッチケーブルの選び方 へ。マイクケーブル(XLR)は選べる被覆色が多く、本数が多くても割り当てやすいです(選べる色は線材や時期で異なるため商品ページでご確認ください)。

▲ マイク回線は色とチャンネル番号をセットで管理
色だけに頼らない理由と「色+番号」
色付きの照明や暗い場所では、被覆が本来の色に見えないことがあります。黒と濃い青、赤とオレンジのような近い色は特に紛らわしくなります。また色の見え方には個人差があり、全員が同じように見分けられるとは限りません。
そこで、色は補助、番号や文字は確定情報と役割を分けます。「1〜5」や「VO」「SEND」などの短い表示を付ければ、色が見えにくくても特定できます。色も黒と黄のように明るさの差が大きい組み合わせが見分けやすいです。
ラベリングの方法と、ケーブルを傷めない注意
原則は両端に同じ表示を付けること。片側だけだと結局もう一端をたどります。位置も両端で揃えると探しやすくなります。
| 方法 | 向いている使い方 | 注意点 |
|---|---|---|
| 熱収縮チューブ+書き込み | 長く使う固定の表示 | プラグを付ける前に通すため、完成品への後付けは基本できません |
| 結束バンド・面ファスナー+タグ | 後付け・付け替え | きつく締めすぎると被覆を傷めます |
| ケーブル用のカラーリング類 | 色+番号の組み合わせ | ずれやすいものもあります |
| マスキング・ビニールテープ | 一時的な表示 | 長期間・高温でのり残りが出ることがあります |
- プラグの握る部分やジャックに入る部分には巻かない(剥がれてジャック内に残るおそれ)
- 曲がる部分に硬いものを巻かない
チューブの扱いは 熱収縮チューブの記事 で解説しています。購入年月も書いておけば交換時期の目安になります(シールドケーブルの寿命)。
今日できるチェックリスト
- 色の意味を「線材」か「役割」に決めた
- 色数を必要最小限にした
- 予備の色の扱いを決めた
- 両端に同じ番号・文字を付けた
- 対応表をメモ・写真で残した
- 暗い場所で近い色が区別できるか確かめた
- スピーカーケーブルは別袋・別表示にした
KMsoundのケーブルは職人が一本ずつハンダ付けし、出荷前に導通を確認しています。CANARE GS-6なら被覆色を指定して複数本をオーダーできます。
色の割り当てが決まったら、その色で揃える。
CANARE・MOGAMI・OYAIDEの線材から、被覆色・長さ・プラグ形状を選んで
熟練職人が一本ずつ手作りします。