日本製熟練職人が一本ずつ手作り
まとめ買い・大口注文 お問合せ
ホームブログ / シールドケーブル自作の下処理
Cable How-to2026.06.01

シールドケーブル自作の下処理|被覆剥き・シールド整え・カットの基本

シールドケーブルやパッチケーブルを自作するときに、仕上がりを左右するのは実は「下処理」です。ハンダ付けの上手さよりも、被覆の剥き方やシールド線の整え方の方が、音と耐久性に大きく効きます。この記事では、ケーブル専門店KMsoundが、自作ユーザー向けに下処理の3つの基本失敗しないコツを、写真付きで解説します。

シールドケーブルのプラグと、被覆を剥いて下処理を済ませたケーブル端部

▲ 下処理の良し悪しは、ハンダ付け後の信号品質と耐久性に直結します。

1. 下処理ってそもそも何?

ケーブル製作で言う「下処理」とは、ハンダ付け前に行う以下の3つの工程をまとめた言葉です。

工程何をするか仕上がりへの影響
外皮の被覆剥きケーブル外側の被覆を10〜15mm剥がすシールド線を傷つけないことが鍵
シールド線の整え編組/ラップシールドを撚って一束にする仕上がりの美しさ&GND接続の確実性
芯線の被覆剥き内部の芯線まわりの被覆を5〜7mm剥がす芯線を切らずに、ハンダがよく乗る長さに

シールドケーブルは多層構造になっているため、CANAREやMOGAMIといったプロ用ケーブルでも、下処理の出来によって信号品質と長持ち度が変わります。詳しい構造は シールドケーブルの構造と下処理で音が変わる理由 もどうぞ。

2. 用意する工具(最低限)

ストリッパーが手元にない場合はカッターでも作業できますが、内側のシールド線や芯線を傷つけるリスクが高いのでオススメしません。1本2,000円程度から手に入るので、自作するなら最初に揃えたい工具です。

3. 手順① 外皮の被覆をきれいに剥く

ケーブル一番外側の被覆を、長さ 10〜15mm ほど剥がします。プラグの種類によって最適な長さが変わるので、最初に1本テスト剥きしてから本番の長さを決めるのが安全です。

  1. ストリッパーの刃を外皮の厚みに合わせて調整する。
  2. ケーブルをくわえて、軽く回しながら被覆だけを切る。内側のシールド線まで刃を入れないのがコツ。
  3. 切れ目を入れたら、被覆を引き抜いてシールド線を露出させる。

このときシールド線の編組が乱れてしまった場合は、爪楊枝などで丁寧にほぐして整えます。乱暴に引っ張ると編組が切れて、後の作業が一気に大変になります。

4. 手順② シールド線(編組/ラップ)を整える

露出したシールド線は、そのままでは放射状にバラけた細い銅線です。これを一方向に集めて撚っていきます。

この一束の整い方が、後のハンダ付けの仕上がりとGND接続の確実性を左右します。バラけたまま強引にハンダ付けすると、ボロボロのイモハンダになります。

シールド線にあらかじめハンダを軽く流す(予備ハンダ)と、後でプラグへ取り付けるときの作業性が劇的に上がります。ピンセットで形を整えながら少量のハンダを乗せます。

5. 手順③ 内部の芯線も丁寧に剥く

シールド線の中にある絶縁体に包まれた芯線(信号が通る一番大事な線)を、5〜7mm ほど露出させます。芯線は細いので、外皮以上に慎重に。

  1. ストリッパーの刃を芯線の太さに合わせる(0.5〜0.8mm 程度)。
  2. 絶縁体だけを切るように、軽く回して被覆を取り除く。
  3. 露出した芯線が「全部揃っているか」を確認。一本でも切れていると音量低下や音質劣化の原因に

こちらも露出させた芯線に少量のハンダで予備ハンダをしておくと、本番のハンダ付けが格段に楽になります。

6. プロは"機械×手作業"のハイブリッド

大量の同じ仕様のケーブルを作るとき、プロは専用の電動ストリッパーでケーブルの下処理を均一化します。被覆の剥き長さやシールド線の整え方が1本1本ピタリと揃うので、量産でも品質がブレません。

ただ、機械を通したあとも1本ずつ職人が目で仕上がりを確認するのが、品質の安定する現場の鉄則。KMsoundでも、下処理は機械の精度を借りつつ、最後は必ず手で整える運用です。

機械での量産下処理の様子は、KMsoundの InstagramYouTube Shorts でショート動画として公開しています。実際の現場の雰囲気が伝わるはずです。

7. やってはいけないNG3つ

8. 自作するか、プロにお任せか

下処理は基本さえ押さえれば自作でも十分に追い込めますが、「数本〜10本以上をまとめて作りたい」「短納期で揃えたい」「品質を1本ずつ確認したい」 という場面では、職人の手に委ねるのも合理的です。

とくに学校・スタジオ・バンド単位での 同一仕様の複数本オーダー は、機械での量産下処理+手作業のハンダ付け+導通チェックを通せるKMsoundの得意分野です。詳しくは まとめ買い・大口注文ページ をご覧ください。

まとめ|下処理は丁寧さが9割

「下処理に時間をかける余裕がない」なら、職人が仕上げます

KMsoundは、CANARE・MOGAMIを使ったケーブルを
機械の精度+熟練職人の手作業で1本ずつ仕上げ、出荷前に導通チェックを行います。
長さ・カラー・プラグ形状を選んでオーダーできます。

KMsoundのケーブルを見る