ABボックス・ABYボックスのつなぎ方|アンプ2台・ギター2本の切り替えに必要なケーブル本数と、2台同時に鳴らすときのハム対策
アンプ2台を使い分けたい、ギター2本をすばやく持ち替えたい。どちらもABボックスで解決できますが、AかBの切り替えだけか、両方同時(Y)に鳴らすか、どちら向きに使うかで、必要なケーブルの本数と注意点が変わります。パターン別のつなぎ方と本数、2台同時に鳴らしたときのハムの切り分け方までを整理します。
▲ どちらも箱の前後でケーブルは3本です。
結論:ABは「どちらか」、ABYは「どちらか+両方(Y=2つへ分ける)」
ABボックスは入力をAかBのどちらか一方へ送る切り替え器、ABYボックスは両方へ同時にも送れる分岐器です。2台同時に鳴らすなら、出力側にアイソレーション・グラウンドリフト・位相反転があるかを選ぶ基準にすると安心です。
| AB(切り替えのみ) | ABY(同時出力あり) | |
|---|---|---|
| できること | A または B | A または B、A+B |
| 主な用途 | アンプ2台の切り替え/ギター2本の持ち替え(逆向き対応機のみ) | アンプ2台の切り替え+同時に鳴らす |
| ハムの出方 | 片方ずつ鳴らすため、2台同時の構成に比べると問題になりにくい | A+Bでグラウンドループによるハムが出ることがある |
| 選ぶときの確認点 | 逆向きに使えるか、電源の要否 | ISO・LIFT・位相反転の有無、電源の要否 |
左右に違う音を出したい場合はステレオ接続の領域で、この記事は同じ信号を分ける話です。
つなぎ方:パターン別の配線と端子の向き
パターンA:ギター1本 → アンプ2台(ABY)
ギター(またはボードの最後)をIN、OUT AをアンプA、OUT BをアンプBへ。TUNER端子があればチューナーへ送れます(チューナーの置き場所)。ABYをボードの最後に置けば両アンプに同じエフェクトが、ABYの後ろに別々のペダルを置けばアンプごとに違う設定がかかります。
パターンB:ギター2本 → アンプ1台(ABを逆向き)
ギターAをA端子、ギターBをB端子へ挿し、共通端子からアンプへ。ただし逆向きに使えるのは、取扱説明書で入力2系統に対応とある機種だけです(BOSS AB-2は製品ページで逆向きの使い方を案内)。アンプ切り替え専用機を無理に逆挿ししないでください。
接続の手順
- アンプの音量を下げ、電源を切る
- IN → OUT A → OUT B の順に挿す
- 電源が必要な機種なら電源をつなぐ
- アンプを1台ずつONにし、A → B → A+B で確かめる
【実践】必要なケーブル本数と長さの数え方
数え方のルールは「箱の前に1本、箱の後ろに出力の数だけ」です。
| 構成 | ABなし(アンプ1台) | ABボックス使用 |
|---|---|---|
| ギター1本 → アンプ2台(ABY) | — | 3本(ギター→ABY、ABY→A、ABY→B) |
| ボード経由 → アンプ2台(ABYをボード最後に) | 2本(ギター→ボード、ボード→アンプ) | 3本+ボード内パッチ1本 |
| ギター2本 → アンプ1台(AB逆向き) | 1本 | 3本(ギターA、ギターB、AB→アンプ) |
| TUNER端子を使う | — | 上記+パッチ1本 |
アンプ2台は置き場所が違うので、A用・B用の長さは別々に測ります(長さの考え方)。2本を色違いにすると、本番中の差し間違いを防げます。長さと色を1本ずつ選べるギターケーブルの一覧から、ステージの配置に合わせて選べます。
また、パッシブのABYで2台同時に鳴らすと、ギターから見て2系統分のケーブルとアンプ入力が並列につながります。高音の抜けが気になるときは、総延長の見直しかバッファーを検討してください(バッファーの入れどころ)。
2台同時で「ブーン」:グラウンドループとISO/LIFT
3Pプラグのアンプは、それぞれ電源のアースにもつながっています。さらにケーブルのシールドでもつながると、グラウンドの経路が輪(ループ)になり、ハムが出ることがあります。機器側の対策は主に2つです。
- アイソレーション(ISO):トランスで出力Aと出力Bを電気的に切り離す方式
- グラウンドリフト(LIFT):出力側ケーブルのシールド(グラウンド)を切り離すスイッチ
| 機種(例) | メーカー公表の主な機能 |
|---|---|
| Radial BigShot ABY | 音声回路はパッシブで、9V電源はLED表示用。出力BにISOとLIFT。出力Bの180°(位相反転)はISOがONのときだけ機能。TUNER端子は常時出力 |
| Lehle Little Dual II | リレー式で電源が必要。トランスで出力Aを出力Bから絶縁。PHASEで出力Aを反転。GROUNDスイッチで出力A/Bのグラウンドをつなぐ・切るを選ぶ |
| MXR M196 A/B Box | A/B/両方同時。チューナー用のTHRU端子。電源は9V電池またはアダプター |
電源側では、2台を同じコンセント系統・電源タップから取るのも一般的な対策です。

▲ GND LIFTは信号側のグラウンドを切る機能。電源プラグのアースとは別物です。
【実践】ハム・音痩せ・片側無音の切り分け手順
1回に1か所だけ変えるのがコツです。
- A単独・B単独が静かでA+Bだけハムが出るなら、グラウンドループを疑います。
- ISO・LIFT・GROUNDスイッチを切り替え、静かなほうを選びます。
- 2台の電源を同じタップからにして比べます。
- A+Bで音が細い・低音が減るなら、位相が逆の可能性があります。位相反転スイッチで太く聞こえるほうを耳で選びます(正解はありません)。
- 片側だけ鳴らないときは、A用とB用のケーブルを入れ替え、症状が移ればケーブルが原因です(テスターでの断線確認)。
- それでも消えなければ、ペダル電源や照明などを疑います(ノイズ対策全般)。
Lehle Little Dual IIの「出力Bは常に接続しておく」のような機種固有の指示もあるので、取扱説明書に従ってください。
つなぐ前のチェックリスト
- □ 「切り替え」か「同時」か、目的を決めた
- □ 逆向き使用の可否を取扱説明書で確認した
- □ 電源の要否(LED用だけか、回路にも要るか)を確認した
- □ A用・B用の長さを別々に測り、色で区別した
- □ 電源OFFで接続し、A → B → A+B の順に確認した
- □ A+Bでのスイッチ位置を決めた
- □ 予備のケーブルを1本用意した
切り分け手順の5(ケーブルの入れ替え)は、同じ仕様のケーブルが2本あると判断しやすくなります。KMsoundでは職人が一本ずつ組み立て、出荷前に導通を確認してからお届けしています。
アンプ2台分の"長い2本"を、配置に合わせて
ABYを入れると、アンプへ向かう長いケーブルが1本増えます。
KMsoundでは長さ・カラー・S型/L型プラグを指定して、職人が一本ずつ組み立て、
出荷前に導通を確認してお届けします。