DIボックスとは?ギター・ベース・アコギをPAにつなぐケーブルとつなぎ方|INPUT・THRU・XLR出力とグラウンドリフト
「DIに挿して」と言われて戸惑ったことはありませんか。DIボックスは楽器の信号をミキサー向けに変える箱で、入力はシールド、出力はXLRと前後でケーブルが違います。端子の意味から長さ、電源、ハム対策まで、つなぐ前に知りたいことを整理します。
DIボックスとは?役割と3つの端子
楽器の出力はHi-Z(高インピーダンス)・アンバランスです。DIはこれをミキサーに合うLo-Z(低インピーダンス)・バランスの信号に変換する機器だと、Radial Engineeringは説明しています。
形を変えるだけの変換プラグでは代わりになりません(変換プラグと変換ケーブルの使い分け)。
| 端子 | つなぐ先 | 使うケーブル |
|---|---|---|
| INPUT | 楽器から | シールド(フォン) |
| THRU (PARALLEL OUT・LINK) | アンプへ(任意) | シールド(フォン) |
| OUTPUT(XLR) | ミキサー・ステージボックスへ | XLRケーブル |
DIの前後のケーブル:入力はシールド、出力はXLR
楽器→INPUT:シールド(1本目)
通常のギター・ベース用シールド(TS)で、音とノイズへの影響がいちばん大きい「1本目」です。DI側のプラグはL型・S型の決め方を参考に。DIに挿す1本目のシールドは、長さとプラグ形状から選ぶと失敗しにくくなります。

THRU→アンプ:シールド
THRUは入力をそのまま分岐する端子で、アンプを鳴らしつつPAにライン音を送るときに使います。
XLR OUT→ミキサー:XLRケーブル
DIの出力はXLRオス。XLRケーブルのメス側をDIに、オス側をミキサーへ挿します。マイク用と同じケーブルで構いません(バランス接続の仕組み)。DIからミキサーまでのXLRケーブル(MOGAMI 2534/CANARE L-4E6S)も当店で製作しています。

ライブハウスではDIとXLRは会場側にあることが多いとされます(ライブ当日の持ち物と本数)。
長さの考え方:Hi-Z区間は短く、XLR区間は長くてよい
Hi-Zのシールドはノイズを拾いやすく、長いほど静電容量で高域が丸まりやすい一方、バランスのXLRは長く引き回しても影響を受けにくいとされます。Radialは楽器用ケーブルを25フィート(約7.6m)以内とする目安を挙げていますが、「何mから悪くなる」とは一概に言えません(ケーブルの長さと音の関係)。
パッシブDIとアクティブDIの違い:電源とPAD
| 種類 | 仕組み | 電源 |
|---|---|---|
| パッシブ | トランスで変換 | 不要 |
| アクティブ | 回路を内蔵 | ファンタム電源または電池(機種による) |
実在機の公表値の例です(推奨ではありません)。
| 機種 | 種類 | 電源 | 入力インピーダンス |
|---|---|---|---|
| Radial ProDI | パッシブ | 不要 | 140kΩ |
| Radial J48 | アクティブ | 48Vファンタム | 220kΩ |
| BOSS DI-1 | アクティブ | 9V電池またはファンタム24〜48V | 4.7MΩ/37kΩ/33kΩ(アッテネーター連動) |
| Countryman Type 85 | アクティブ | 48Vファンタムまたは9V電池 | 10MΩ(Pickupモード) |
Radialは、ピエゾ(エレアコの多く)やパッシブのベースにはアクティブ、キーボードなど出力の大きい機器にはパッシブを勧める傾向と説明しています。
PADは出力が大きく歪むときに入れます。電池の無いアクティブDIはPAに「ファンタムをお願いします」と伝え、扱いは機種の取扱説明書に従います。
つなぎ方の手順とグラウンドリフト
- ミキサーをミュートし、ゲイン・フェーダー・アンプの音量を下げる
- 楽器→INPUTにシールド(アンプも鳴らすならTHRU→アンプにも)
- XLR OUT→ミキサーにXLRケーブル
- アクティブDIは電池、またはミュートのままファンタムON
- 楽器→ゲイン→フェーダーの順に上げる
ファンタムのON/OFFやケーブルの抜き差しは、ミュートして音量を下げた状態で行います。Radial J48の取扱説明書にも、接続前に音量をゼロにする注意があります。
ハム(ブーン)が出たら
一度に1つだけ変えて切り分けます。THRU→アンプを抜いて消えるならアンプとPA間のグラウンドループを疑い、GND LIFTを切り替えて比べます。GND LIFTは、DIの入力側と出力側のオーディオのグラウンド(XLRの1番ピン)を切り離すスイッチです。
場面別のつなぎ方と本番前チェックリスト
- アコギ・エレアコ:エンドピン→シールド→DI。アンプを使わなければTHRUは空きで構いません。
- ベース:THRUでアンプ、XLRでPAへ。アクティブベースはPADも検討(ベース用シールドの選び方)。
- キーボード(ステレオ):L/Rで2系統。DI2台か2chのDI(例:BEHRINGER DI20)で、シールドとXLRが2本ずつ。
- エレキギター:アンプをマイクで録ることが多く、ラインも併用するならDIのTHRUでアンプへ返す使い方があります。
- 宅録:インターフェースにINST(Hi-Z)入力があればDIは不要なことが多いです(オーディオインターフェースのケーブル選び)。
- □ 楽器→DIのシールドは届き、長すぎないか
- □ THRUでアンプにも出すなら2本目のシールドがあるか
- □ 会場にDIとXLRがあるか(出演前に確認)
- □ キーボードはL/Rの2系統分あるか
- □ アクティブDIの電池、またはファンタムを依頼したか
- □ 接続前にミュート・音量ゼロにしたか
- □ 予備のシールドがあるか
KMsoundでは、DIの前後に使うシールドとXLRケーブルを、CANARE・MOGAMIなどの線材で職人が一本ずつ組み、出荷前に導通を確認しています。
DIに挿す「1本目」を、長さとプラグから。
楽器の信号がそのまま通る楽器→DIのシールドは、音とトラブルにいちばん効く1本です。
KMsoundのギターケーブルはCANARE・MOGAMI・OYAIDEの線材から選べ、長さ・色・S型/L型プラグを指定して職人が一本ずつ手作りしています。
選べる色・価格・お届け目安は商品ページでご確認ください。