ケーブル養生のやり方|ステージ・スタジオの床配線とテープの貼り方でつまずき・踏みつけ断線を防ぐ
ステージやスタジオで足元のケーブルに引っかかった経験はありませんか。つまずけば演奏が止まり、機材が倒れることもあります。引っかけられたケーブルはプラグの根元から、踏まれ続けたケーブルはその箇所から傷みます。床の這わせ方から、テープの選び方・貼り方・剥がし方までを解説します。

▲ 床のケーブルは通すルートから決める
養生の目的:つまずき・機材転倒・踏みつけ断線を防ぐ
目的は、人がつまずかない・機材を倒さない・ケーブルを傷めないの3つです。引っかけた力はプラグの根元に集まり、踏まれ続けた箇所は外皮や中の線が傷みます。踏まれない位置に通し、引っかけた力を根元まで届かせないことが基本です。ギター側はストラップへの通し方で対策し、この記事ではその先の床を扱います。
床の這わせ方:テープより先にルートを決める
基準は「そこを人が通るか」です。
- 通路を横切らせない。横切るなら1か所にまとめ、通路に対して直角に横切らせてテープで留めます。人通りの多い通路は、床用のケーブルプロテクターで覆う方法もあります(会場の指示が優先)。避難口や通路はふさぎません。
- 壁際・ステージの縁・機材の背面に沿わせる。
- 電源ケーブルと並走させない。ノイズを拾いにくくするため、交差させるなら直角にします。
- 両端にたるみを残す。常に少したるみが残る長さにし、張ったまま留めないこと。
- 余りは機材側にまとめる。8の字巻きで束ね、通路の外に置きます。
這わせる距離を測ってから長さとプラグ形状を選べるギターケーブルを探すと、足元の余りを減らせます。
▲ 縁に沿わせ、通路は1か所だけ直角に横切ってテープで留める
テープの選び方:養生テープ・ガッファーテープ・布テープの違い
| テープ | 向く使い方 | 注意点 |
|---|---|---|
| 養生テープ | 床への一時固定。手で切れて剥がしやすい | 長期間貼ると糊残りや床材を傷めることがある |
| ガッファーテープ | ステージ床への固定。手で切れ、光を反射しにくい | 糊残りが少ないとされるが、残ることもある |
| 布テープ(梱包用) | 荷物の梱包 | 粘着が強く、床材や貼る時間によっては跡が残りやすい |
| ダクトテープ | 補修・梱包 | 剥がすと糊が残りやすいとされる |
| ビニールテープ | 目印・色分けの補助 | 伸びやすく、床の固定より目印・色分け向き。長期間・高温でのり残りが出ることも |
| 紙のガムテープ | 使わない | 剥がれにくく、床に残りやすい |
ガッファーテープも布基材で、布テープ・ダクトテープとの違いは主に表面の加工(光沢の有無)と粘着剤です。会場の指定がなければ養生テープかガッファーテープを選びます。使えるテープや貼ってよい場所は会場により異なるので、事前に確認してください。
【実践】テープの貼り方5ステップ
- 機材の位置を決め切ってから貼る。
- ケーブルを床に沿わせ、ねじれを取る。
- 通路を横切る部分から貼る。テープはケーブルと直角に覆う向きで。次に機材側のたるみの少し先、最後に間を必要なだけ。
- テープの端を少し折り返す。剥がすときのつまみになります。
- プラグ・ジャックの近くには貼らない。剥がれたテープや糊がジャックに入るおそれがあります。
間隔に決まった数値はなく、浮かず足先が入らない程度が目安です。

▲ テープはプラグではなくケーブル部分に
環境別のコツ
ライブハウス
養生は会場スタッフが行うこともあるので、自分で貼ってよいか先に確認します。転換が短いので、貼るのは通路の横断部に絞ります。当日の持ち物にテープを1巻入れておくと安心です。
リハスタ
短時間なら貼らずに「壁沿い・たるみ・余りは足元の外」で足りることが多いです。貼るならスタジオのルールに従います。
宅録部屋
常設なら、テープより床用のケーブルプロテクター(ケーブルカバー)が向いています。テープの貼りっぱなしは、糊残りや床材を傷める原因になります。
ペダルボード周り
踏まれやすいのは、ボードからアンプへの1本です。ボード側にゆとりを残し、縁に沿わせて出します。
剥がし方と撤収後の点検チェックリスト
テープは低い角度でゆっくり剥がし、ケーブルごと引っ張らないこと。外皮に糊が付いたら、まず乾いた布で拭き取ります。
- 貼る前:通路を避けたルート/電源とは直角に交差/両端にたるみ/会場のテープの指定を確認
- 本番中:テープの浮き・剥がれ
- 撤収後:剥がし残し/外皮のつぶれ・折れ癖/プラグの根元を軽く曲げながら音を出し、ガリや音切れがないか(寿命と交換時期の見分け方も参考に)
KMsoundのケーブルは、CANARE・MOGAMIなどの線材を使い、下処理から予備ハンダ、プラグの組み立て、導通確認までを自社で行って、職人が一本ずつ製作しています。長さは15cm〜10mで指定でき、それ以外もご相談いただけます。
床を這わせる前提の長さで、一本ずつ。
ステージの広さや立ち位置に合わせて、長さ・カラー・S型/L型のプラグを指定できます。
熟練職人が一本ずつ手作りし、導通を確認してからお届けします。