ケーブルを動かすとガサガサ鳴る原因|タッチノイズと断線の見分け方、擦れを減らす取り回し
シールドを足で引っかけたり、手で持ち替えたりしたときに「ガサッ」「ジャリジャリ」と音が出る。これは、ケーブルの故障とは限りません。ケーブルが擦れたり曲がったりして出るタッチノイズの場合もあれば、プラグの根元の断線や接点の汚れが原因の場合もあります。この記事では、症状から原因を切り分ける手順と、今日からできる取り回しの対策をまとめました。
▲ 「どこを動かしたときに鳴るか」を見るだけで、原因はかなり絞れます。
結論:鳴る場所と、音が途切れるかで見分ける
まずは弦を軽くミュートした状態で、音量を普段より少し上げ、ケーブルを1か所ずつ動かしてみてください。
| 症状 | 疑う原因 | 次にやること |
|---|---|---|
| プラグの根元を曲げたときだけ鳴る/音が途切れる | プラグ根元の断線・接触不良 | 寿命の可能性。使い続けず、別のケーブルに替えて比べる |
| ケーブルの途中をこする・叩くと「ガサガサ」鳴る。音は途切れない | タッチノイズ | 擦れを減らす取り回しに変える(後述) |
| 別のケーブルにしても、同じ動かし方で鳴る | ジャックの接点汚れ・ゆるみなど機材側 | ジャック側の点検へ。ガリ修理の記事を参照 |
ここで大事なのは、「音が途切れるか」と「鳴る場所」です。途切れるなら内部の導線の問題、途切れずにガサガサ鳴るだけなら、ケーブルの擦れによるノイズの可能性が高くなります。
タッチノイズとは?なぜケーブルを動かすと鳴るのか
ケーブルの内部では、中心の導線の周りに絶縁体があり、その外側をシールド(網線や横巻きの導線)が囲んでいます。ケーブルが曲がったり擦れたりすると、この層どうしが微妙にこすれて静電気のような電荷が生まれ、それが信号に混ざってノイズとして聞こえる、と説明されます。
ギターのように信号が小さく、出力インピーダンスの高い楽器ほど、こうした微小なノイズを拾いやすいといわれます。そのため、同じケーブルでも、歪ませたギターではっきり聞こえて、静かな場面では気づきにくいことがあります。
ケーブルの内部には、このタッチノイズを抑えるための層(導電性の樹脂など)を入れた設計があります。構造の違いはケーブルの構造の記事で図解しています。ただし、どんなケーブルでも、擦れや衝撃がゼロになるわけではありません。取り回しで減らせる部分も大きいので、次の対策から試してみてください。
タッチノイズを減らす取り回し4つ
1. 床や足でこすらない:たるみを作って浮かせる
ケーブルが床を引きずられる、足で踏まれてずれる、ペダルボードの角に当たる。こうした擦れが、いちばん多い原因です。足元にゆるいループを作って、動いてもケーブルが引きずられない余裕を持たせてください。
2. ストラップ・衣服・椅子に触れない通し方にする
ケーブルが衣服やストラップに当たったまま体を動かすと、その擦れが音になります。ストラップに軽く通してジャックの手前で逃がす、膝の上を通さない、といった通し方で変わることがあります。ジャックからの抜けやすさも一緒に見直すなら、シールドが抜けやすいときの記事が参考になります。
3. 長すぎるケーブルを避け、余りは8の字巻きにする
長いケーブルは、それだけ床に触れる面積が増えます。必要な長さを測って選ぶのが基本です。余った部分は丸めず、8の字巻きでまとめると、ねじれにくく、擦れの原因も減らせます。長さと音の関係はケーブルの長さの記事で整理しています。
4. 床にテープで固定できる場所は固定する
ステージやスタジオで、動線にかかる場所は養生で固定すると、踏まれても動かず、擦れも抑えられます。方法はケーブル養生の記事にまとめています。
断線のサインを見逃さない
ガサガサ音のうち、次のどれかが当てはまるときは、タッチノイズではなくプラグ根元の断線・接触不良の可能性があります。
- プラグの根元を曲げると、音が一瞬途切れる
- 曲げる位置を変えると、鳴り方が変わる
- ケーブルを動かしていないのに、突然ブツブツと途切れる
- プラグの根元の被覆が裂けている、または内側のシールドが見えている
この場合は、使い続けても改善しません。見分け方と替えどきはシールドの寿命の記事に詳しくまとめています。ケーブルテスターがあれば、プラグの根元を曲げながら導通を見ることで確認できます(ケーブルテスターの記事)。
別のケーブルで比べるときのコツ
- 同じギター、同じ入力、同じ音量・同じ設定にそろえる
- ケーブルの同じ場所を、同じ強さでこする(強さを毎回そろえるのは難しいので、あくまで比較の目安)
- 違いがはっきり出ないときは、無理に決めつけず、まず取り回しの対策を試す
ジャックを差し替えた直後に鳴るようになった、複数のケーブルで同じ症状が出る、といった場合は、ケーブルよりも楽器やアンプ側のジャックの接点が原因のことがあります。接点の手入れはジャック交換・ガリ修理の記事が参考になります。
買い替えを考える目安
- プラグの根元を曲げると音が途切れる(断線のサイン)
- 取り回しを見直しても、ケーブルの途中を触るたびに大きく鳴る
- 同じ環境で、他のケーブルでは鳴らないのに、このケーブルだけ鳴る
ライブ本番で使うケーブルは、症状が出た時点で予備に回す、と決めておくと安心です。持っていくケーブルの本数と予備の考え方はライブ・リハのケーブルの記事で整理しています。
KMsoundでの考え方
当店では、完成したケーブルを一本ずつ導通確認してからお届けしています。ただし、タッチノイズは取り回しや使う環境の影響も大きいため、「このケーブルなら出ない」とはお約束できません。ケーブルの扱い方や選び方でお困りのときは、症状(どこを動かすと鳴るか)を添えて、お問い合わせからご相談ください。自分でケーブルを作る場合も、プラグ根元の処理や固定が、断線の起きにくさに関わります。完成品が必要なときは、長さとプラグの形を決めてから選んでみてください。
長さとプラグの形を決めて、取り回しやすい1本を
擦れや引っかかりを減らすには、必要な長さとプラグの向きを合わせることが近道です。
KMsoundでは長さ・カラー・プラグ形状を選んで、一本ずつ組み立て、
出荷前に導通を確認してお届けします。