アンプのセンド・リターン(FXループ)のつなぎ方|必要なケーブル本数・4ケーブルメソッド・ループに入れるエフェクター
アンプの背面にある「SEND」「RETURN」は、アンプの中の2つの部屋——音色や歪みを作るプリアンプと、音量を上げるパワーアンプ——のあいだに、外のエフェクターを差し込むための出入口です。向きを間違えると音が出ませんが、仕組みと必要なケーブルの本数が分かれば迷いません。配線図と早見表で順番に整理します。

センド・リターン(FXループ)とは——プリアンプとパワーアンプの「あいだ」
信号は、ギター → INPUT → プリアンプ → SEND(出口) → エフェクター → RETURN(入口) → パワーアンプの順に流れます。つまりSEND→エフェクターのIN、エフェクターのOUT→RETURNです。
全信号が通る「直列」と、原音にエフェクト音を混ぜる「並列」があり、どちらかは機種によるのでマニュアルで確認を。ループのないアンプなら、ペダルを全部INPUTの前に並べれば成立します。
▲ 太い赤線が、ボードとアンプを行き来する長い区間です。
どのエフェクターをループに入れる?——定番はあっても正解ではない
| 置き場所 | 多い例 | 理由(と言われること) |
|---|---|---|
| INPUTの前 | チューナー、ワウ、コンプ、歪み | ギターの生の信号を受ける前提のものが多い |
| ループ | ディレイ、リバーブ、コーラス | アンプの歪みの後ろなら、残響がにごりにくい |
| どちらでも | フェイザー、トレモロなど | 前と後ろで別の音。試して決める |
アンプで歪ませるなら、空間系はループのほうが残響がクリアに残りやすいと言われます。ただしこれは出発点で正解ではありません。歪みもペダルで作るなら全部INPUT前でも問題が出にくく、音が細く感じたら前に戻して聴き比べてください。ボード内の並び順はパッチケーブルの本数と並べる順番へ。
4ケーブルメソッド(4CM)の配線——マルチの中にプリアンプを挟む
SEND/RETURN付きのマルチ(BOSS GT-1000、Line 6 HX Stomp XLなど)で、歪み系はINPUT前、空間系はループへ振り分ける配線です。
- ギター → マルチのINPUT
- マルチのSEND → アンプのINPUT
- アンプのSEND → マルチのRETURN
- マルチのOUTPUT(L/MONO)→ アンプのRETURN
- 機器をつなぎ替えるときは、アンプとマルチの電源を切ってから行う
- マルチ側のセンド/リターン(FXループ)ブロックをオンにし、プリアンプを入れたい位置に置く。置かないと音が出ません
- ループが楽器レベルかラインレベルかに、マルチの入出力レベルを合わせる。合わないと、歪む・音量が極端に小さいといった症状が出ることがあります
- マルチ側のアンプ/キャビネットのモデリングは、実機アンプの音を使うため多くの場合オフにします(設定方法は機種のマニュアルで)
必要なケーブル本数と長さ——ボード↔アンプが3本に増える
| 構成 | ボード↔アンプ | ボード内パッチ |
|---|---|---|
| ループ不使用 | 1本 | 台数−1本 |
| ループ使用 | 3本(→INPUT、SEND→、→RETURN) | 前段・ループ段それぞれ台数−1本 |
| 4CM | 3本(図の②③④) | 0本 |
ギター→ボードの1本は別です。背面のSEND/RETURNまで回り込む長さが要ります。ボード位置から実際に沿わせて測りましょう(必要な長さの測り方)。
3本を同じ長さで揃えると束ねやすく、予備も共通にできます。端子はTS(モノラル)が基本ですが、TRSの機種もあります(TSとTRSの見分け方)。長さが決まったら、長さとプラグ形状を指定してギターケーブルを選ぶこともできます。

音が出ない・ノイズが出るときの確認手順
- アンプの音量を下げてから作業する
- SENDとRETURNが逆でないか、背面の文字で確かめる
- ループ内のペダルを外し、SENDとRETURNを1本のシールドで直結する。鳴ればループ内のペダル・パッチ・電源を、鳴らなければ直結に使ったケーブル、INPUT前の機材、アンプ本体の順に疑う(一度に1か所だけ替える)
- 4CMなら、ループブロックのオン・位置・レベル設定を見直す
- それでもダメなら、ケーブル単体をテスターで確認する
ループを使わないのにRETURNにだけケーブルが挿さっている(ギターをRETURNに挿した)場合、機種によってはプリアンプを通らず、音色つまみが効かない・音が小さいことがあります。ブーンというハムは、機材と電源が増えると出ることがあります。電源を同じ系統から取り、抜けかけを確認してください。電源プラグの保安用アースを外す方法は感電の危険があるため、行わないでください(ノイズの原因と対策)。
まとめ:つなぐ前のチェックリスト
- □ 直列/並列・レベル切替の有無をマニュアルで見た
- □ 電源を切ってから配線する
- □ SEND・RETURNのケーブルに色や表示を付けた(色と番号のラベリング)
- □ 端子の種類(TS/TRS)をマニュアルで確認した
- □ ボード↔アンプの3本は、測った長さで揃えた
- □ 鳴らす前にアンプの音量を下げた
往復する3本のどれかが不安定だと、原因の切り分けが難しくなります。KMsoundでは、CANARE・MOGAMIの線材を職人が一本ずつ手作りし、出荷前にテスターで導通を確認しています。長さ・L型/S型・色を指定できるので、3本を同じ長さ・色で揃えられます。