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Cable Know-how2026.10.05

アンプの電源を入れたままシールドを抜き差ししていい?|「ボツッ」の理由と、電源を入れる・切る順番

アンプの電源を入れたままシールドを抜いたら「ボツッ」。結論から言うと、電源ONのままの抜き差しは避けるのが基本で、どうしても必要ならアンプの音量を絞るかミュートしてから。電源は「音の出口を最後に入れ、最初に切る」が原則です。ボツッと鳴る理由から、場面別の順番の早見表、持ち替えの手順までまとめます。

木の床に置いた青いストラトタイプのギター。ジャックにシールドケーブルが挿さり、反対側のプラグは床に置かれている

結論:電源ONのまま抜き差しはしない。するなら「音量ゼロ/ミュート」が最低ライン

先に答え

BOSSの英語版取扱説明書(DD-7、KATANA Mk IIなど)には接続前に音量を下げて電源を切るよう書かれており、DD-7ではギターアンプを最後に入れて最初に切る順番も示されています。メーカーが故障のおそれとして案内している以上、「壊れることがあるから避ける」と考えるのが現実的です。

なぜ「ボツッ」「ブーン」と鳴るのか——抜き差しの途中で起きていること

ギターやベースのシールドはTSプラグで、先端のチップが信号、根元のスリーブがグラウンドです。接点が一直線に並ぶため、抜き差しの途中には接点が順につながったり離れたりする「中途半端な瞬間」があります(TSとTRSの違い)。

CANARE GS-6を使った赤いシールドケーブルのL型とストレートのフォンプラグ。金色の先端(チップ)が信号、黒い絶縁リングをはさんだ根元側(スリーブ)がグラウンドの接点

つまりケーブルの良し悪しではなく、「接点が切り替わる瞬間」と「アンプが鳴っていること」が重なって起きる音です。抜き差ししていないのにブツブツ鳴るなら接触不良や断線の疑いがあります(断線チェックの方法/常に鳴るノイズはノイズ対策)。ポップはケーブルを替えても基本的には防げませんが、抜き差しの多い現場ほど接点の確かな一本が安心です(プラグ形状と長さから選べるギターケーブル)。

電源を入れる・切る順番の原則:「音の出口は最後にON・最初にOFF」

信号の下流(音の出口)ほど後に入れて先に切り、その前には出口の音量をゼロにします。

電源を入れる・切る順番の図。ギターからエフェクター、アンプへ信号が流れ、電源はすべての音量をゼロにしてからエフェクター、アンプの順に入れ、切るときはアンプの音量をゼロにしてアンプ、エフェクターの順。シールドやDCプラグの抜き差しもアンプの音量ゼロで行う
場面入れる順切る順
自宅・スタジオエフェクター→アンプアンプ→エフェクター
宅録PC・IF→モニターモニター→IF・PC
キーボードキーボード→アンプアンプ→キーボード
ライブ(PA卓)PAの指示に従い、ミュートしてもらってから抜き差し

エフェクターの電源も同じです。パワーサプライのDCプラグも、アンプが鳴っているとポップが出ることがあります。電池駆動のペダルにはINPUTジャックが電源スイッチを兼ねるもの(例:BOSS DD-7)があり、挿した瞬間に電源が入ります。どちらもアンプの音量ゼロで。

真空管アンプ:スタンバイスイッチと「スピーカー側」の注意

スタンバイスイッチは、真空管が温まるまで高電圧を送らないためのもの、とされます。たとえばMarshall JCM600のハンドブックでは、電源を入れて約2分後にスタンバイスイッチをON(演奏できる状態)にし、切るときはスタンバイスイッチを先にOFFにしてから電源を切る手順です。効果には技術者の間でも意見が分かれるため、お使いのアンプの取扱説明書の手順に従うのが確実です。

入力側とスピーカー側を混同しない:この記事は楽器→アンプの入力側の話で、入力のシールドを抜いてもスピーカーが無負荷になるわけではありません。一方、真空管アンプはスピーカーをつながずに鳴らさないこと。アンプ→キャビネットのスピーカーケーブルは必ず電源OFFで扱います(スピーカーケーブルの記事)。

電源を落とせない場面の、安全な抜き差し手順

ステージでギターを持ち替えるとき

  1. チューナーのミュート(機能がある機種)やボリュームペダルを0に。またはアンプをスタンバイ・音量ゼロに
  2. ギター側のボリュームも絞る
  3. プラグ本体を持って抜き、次のギターに奥まで挿す(半挿しは抜けやノイズの原因)
  4. ミュートを解除し、小さめの音量から戻す

ギター側だけ絞り、アンプ側が上がったままになる失敗に注意。抜き差しの瞬間に自動でミュートするNeutrik silentPLUGのような製品もあります(当店では扱っていません。Neutrikプラグの記事参照)。

ライブハウス・宅録

PA卓につながっているときは、PAにミュートしてもらってから抜き差しします(DIボックスのつなぎ方)。コンデンサーマイクはファンタム電源(+48V)をOFFにしてから抜き差しし、ON/OFFも出力の音量を最小にしてから行います(マイクケーブルの記事)。

チェックリストと、作る側からのひとこと

抜き差し・電源のチェックリスト

KMsoundでは一本ずつ組み立て、出荷前に導通と接触を確認しています。作る側から見ても、抜き差しの「ボツッ」は電源と順番の問題であることが多く、ケーブルの不良とは分けて考えるのがおすすめです。

抜き差しの多い現場でも、確かな接点の一本を。

KMsoundのギターケーブルは、CANARE・MOGAMIなどの線材を使い、職人が一本ずつ組み立てて出荷前に導通を確認しています。
長さ・カラー・L型/S型(ストレート)プラグを選んでオーダーできます。

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